7月の東京都議選や次期衆院選をにらみ、連合は立憲民主、共産両党の接近に警戒を強めている。共産党系の
新聞が立憲東京都連幹事長の手塚仁雄衆院議員と共産東京都委員会委員長の対談を掲載。これに連合東京が
猛反発し、「立憲都連とは埋められない距離を感じざるを得ない」との談話を出す事態に発展している。

 「連合東京と(立憲)都連の関係ですから、都連にお聞きください」。立憲の枝野幸男代表は6日、都議選候補の応援に
訪れた東京都八王子市内で、記者団の質問をこうはぐらかした。

 発端は5月16日。共産都委員会の「機関紙」とも言われる東京民報の1面で、手塚氏は「東京で共闘を
積み上げられれば政権交代への大きな弾みになる」と強調し、共闘への前向き姿勢をアピールした。

 これには連合内から不満の声が噴出。6月1日に開かれた連合中央委員会では、共産と距離を置く国民民主党を
主に支援するUAゼンセンの幹部が「次期衆院選で立憲候補を支援することに大変大きな困難が生じかねない」と、
痛烈な批判を浴びせた。

 実際、連合東京は談話で、次期衆院選での立憲候補者の推薦について「共産党とくみしないこと、違反行為がある場合は
推薦等の支援を取り消す」と明記。これ以上の共産との接近をけん制した。

 ただ、立憲都連内には「手塚氏は衆院選もにらんだ共産との共闘のために泥をかぶった」と理解を示す声が多い。
このため、今後も共産との接近は止まりそうにない。
 こうした流れに、国民幹部は「そもそも共産と協力的な立憲への合流を強引に進めたのは、今の連合の方針だった」
と冷ややかに語った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060600220&;g=pol