若いから大丈夫は誤り 自宅療養1万人超の大阪から警告

 新型コロナウイルス感染者の死者が急増している大阪府。病床の逼迫(ひっぱく)で、必要な治療をすぐに受けられない人もいる。療養中の感染者に対する入院者の割合「入院率」がわずか10%にとどまる現場で、いま何が起きているのか。

 5月7日、コロナ患者を受け入れている野崎徳洲会病院(大阪府大東市)の高度治療室(HCU)。

 人工呼吸器を付けた重症患者がベッドに横たわり、防護服を着た看護師が対応にあたっていた。軽症・中等症病床を38床運用していたが3月以降、一般患者向けだったHCU全5床を重症患者向けに切り替えた。

 大型連休中も次々と重症患者が運び込まれた。多い時は6人にのぼり、満床に近い状況が続く。中川秀光院長によると、自宅で具合が悪くなって運ばれてくる患者が多いほか、30〜40代の基礎疾患のない患者が死亡した事例もあった。

 同病院では、第4波が始まってから7日までに20人近くが死亡している。コロナ患者の搬送・入院に家族は付き添えないため、死亡時は電話で連絡する。中川院長は「入院して間もなく亡くなる患者さんもいる。今は多くのご家族が、入院前に(死を)覚悟されている」と話す。

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