https://hochi.news/articles/20210514-OHT1T51240.html

高木豊氏が指摘する2つの差…余裕ある阪神は落ちてこない 巨人は第2戦を死に物狂いで取りにいけ

◆JERAセ・リーグ 巨人1―2阪神(14日・東京ドーム)

 通算1999試合目の伝統の一戦は、2位巨人が首位阪神に逆転で敗れ、ゲーム差が4.5に広がった。1点リードの4回に先発・畠世周投手がマルテの8号ソロと梅野の適時打でひっくり返された。スポーツ報知野球評論家の高木豊氏が、1999試合目の伝統の一戦で見えた両軍の差を指摘した。

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 キャリアとチームの勢い、この2つの差が出たゲームだった。7回2失点の畠は責められないが、2失点の4回だけボールが高くなった。1点を先制してもらった直後、抑えないといけないという気持ちが強すぎたのかもしれないが、その気持ちをコントロールできるほどキャリアがなかった。逆に青柳は逆転してもらった後、良くなった。

 チームの勢いにも差があった。畠には登板過多のリリーフ陣を考え、1イニングでも長くという欲があったはず。逆に青柳は、最低6回まで投げ切ればという思いがあったのではないか。打線でも坂本の離脱で2番に入った好調ウィーラーが5、6番を打っていたら、岡本はもっと楽に打てるだろう。今の巨人はチームの状態として、勢いはない。

 阪神は大山が離脱しても佐藤輝が4番の穴を埋め、5月に入って2発の糸井をベンチに置いて、安打が出ないロハスを使い続ける余裕がある。打線の組み方に柔軟性が見られ、こういうチームはなかなか落ちてこない。まもなく交流戦。強いパ・リーグを相手に互角以上に戦うことで、一気に抜け出したチームは過去にもあった。独走を許さないためにも、残り2戦を死に物狂いで取りにいくしかない。(スポーツ報知評論家・高木豊)