SNSなどを通して外国人との恋愛だと信じ込ませてお金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」の被害を未然に防いだとして、熊本中央署は11日、ゆうちょ銀行熊本支店(熊本市中央区)に感謝状を贈った。
熊本中央署と同支店によると、3月29日午後2時ごろ、1人で来店した熊本市の60代女性が「フィアンセに送金したい」と言い、窓口で現金約100万円の送金を申し出た。
対応した同支店主任(当時)の高松奈津代さん(55)が不審に思い、窓口責任者に相談。責任者らが女性を説得し、同署に通報した。
女性が相手とやりとりしたメールには不自然な日本語が並び、カタカナで書かれた外国の名前と口座番号があった。
それでも女性はだまされているとは思ってもいない様子だったが、窓口責任者から、国際連合広報センターが注意喚起をしているホームページを見せられ、納得したという。
同署によると、女性はフェイスブックで相手とやりとりを始めたといい、「イエメンで国連の医師として仕事をしている」「帰国の資金がほしい」といったメッセージが送られていた。
高松さんは「『フィアンセ』と聞いてピンときた」と振り返った。熊本中央署によると、国際ロマンス詐欺では被害者に恋愛感情を錯覚させるため「フィアンセ」という言葉を使うことが多く、高松さんもそれを認識していた。
「国連」の関係者などを名乗ることも、被害者の信用を得るために多く使われる手口だという。
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支店長の田島晋一さん(59)によると、この前日、鹿児島市で同種の事案があり、支店でも注意を呼びかけていた。
田島さんは「最近の詐欺は手が込んできている。自分で思い込まず、まずは銀行の窓口や警察に相談してほしい」と話した。
同署の平田和稔生活安全課長(56)は「本件を通してより多くの人に国際ロマンス詐欺を認識してもらい、日々の生活で注意していただきたい」と話した。
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