中国のネット通販最大手のアリババグループのことし3月までの3か月間の決算は、最終的な損益が日本円で
920億円余りの赤字となり、上場以来、初めて最終赤字に陥りました。中国政府がIT企業への締めつけを
強める中、独占禁止法に違反したとして巨額の罰金を受けたためです。

中国のネット通販最大手、アリババグループが13日、発表したことし3月までの3か月間の決算は、いわゆる
「巣ごもり需要」でネット通販事業が好調だったことなどから、売り上げは1873億人民元、日本円で
3兆1000億円余りと前の年の同じ時期に比べて64%増加しました。

一方、最終的な損益は54億人民元、日本円で920億円余りの赤字で、2014年にニューヨーク証券取引所に
上場して以来、四半期として初めて最終赤字に陥りました。

これは、中国政府から独占禁止法に違反したとして日本円で3000億円余りの罰金を受けたことが原因です。

中国政府は、影響力を増すIT企業への締めつけを強化していて、中でもアリババグループに強い圧力を
かけていて、業績に影響が及んだ形です。

アリババグループの張勇CEOはオンラインの会見で、売り上げは伸びており各事業が引き続き順調に
成長していると強調したうえで、「中国政府による罰金でより社会的な責任を認識し、消費者にさらに
よいサービスを提供していくことができる」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210514/k10013029791000.html