台湾産輸入パイナップルに不良品が…日本の支援に冷や水?

中国からの全面禁輸を受け、台湾を助けようとブームになっていたパイナップル輸入にとんだ水が入った。

 日本などに輸出されたパイナップルから不良品が発見され、台湾農業委員会主任委員(農水大臣に相当)が国会に当たる行政院経済委員会で陳謝。輸出先には無償で代替品を送り、品質管理の改善を約束すると答弁したのだ。台湾の中央通信社が8日伝えた。

 問題があったのは日本、シンガポールなどに輸出された台湾産パイナップル166トン。芯の部分が痛みにより変色し、糖度が不足していたという。行政院農業委員会の陳吉仲(ちん・きっちゅう)主任委員は7日、「期待に沿えない状況」があったと謝罪した。

「あの痛み方、甘みのなさでは商品ではない。食しても健康に大きな被害は出ないだろうが、お客さま方がとても口にできる代物ではない」

 台湾の果実輸出商は、今回問題になった台湾産パイナップルの問題をこう解説する。

 このパイナップル特需の最中の3月13日、パイナップルと並ぶ台湾の主力輸出農産物であるバナナから、日本の基準値以上の農薬が発見され、日本の輸入商が自主回収、破棄していたことが明らかになった。

「果実の輸入にはこうした問題がつきもので、度々頭を悩まされてきました。日本での検疫は全品検査ではなく抜き打ちです。検疫当局も当初は厳しいのですが、最初の何回かの船便に問題がなければ段々と緩くなっていきます。輸出商は当初だけ問題のないものを日本に送り、段々と問題のあるものを潜ませてくる。それで随分損失を出しましたよ」

 台湾産パイナップル、バナナを長年取り扱ってきた日本の果実輸入商はこう言い、今回の不良品発見は、こうした台湾果実輸出商の体質が引き起こしたものではないか、と指摘。台湾外交部OBもこの輸入商の推測に賛同する。

続く
https://news.yahoo.co.jp/articles/6cb5bbdd71bd1dc79e8e0226c948e8de6a4a9650