近年、日本各地で外国人がギャングを結成する動きが目立っている。

かつて中国残留孤児の子供たちが不良グループ「怒羅権」を結成し、今でも大きな影響力を持っているのは知られている。
だが、ここ最近は、日系ブラジル人の若者や、フィリピンやイランにルーツを持つ若者たちが、反社会的グループを結成しているのだ。

【画像】活発化するギャング集団の現実と悲痛な叫び

2、3年前にも、ネパール人ギャング集団「東京ブラザーズ」「ロイヤル蒲田ボーイズ」の犯罪が事件化した。メンバーはみな日本で育った20歳前後の若者たちだ。

外国系ギャング増加の背景には、外国籍の子供たちを取り巻く、差別や貧困や制度の不備の問題が横たわっている。

外国籍の子供たちの置かれている劣悪な状況を象徴するのが、外国籍の子供の不就学だ。日本には約12万人の外国籍の子供がいるが、
6人に1人に当たる2万人が「不就学」ないしは「就学状況が未確認」の状態にあることが判明したのだ。

こうした子供たちの一部がギャングを結成し、反社会活動を行っているとされている。そんな子供たちの歩いた道のりをルポしたい。


日系ブラジル人の三世のドリコは、1993年に日本の静岡県浜松市で生まれた。

母親はブラジル生まれの日系二世。若くしてサンパウロのファベーラと呼ばれるスラム出身のブラジル人男性と結婚したものの、生活は困窮を極めた。

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