トイレットペーパーの問題はこれ以上抱えたくないものだが、原料のパルプ生産で最大手のスザノは、輸送用コンテナ船の世界的な需給逼迫(ひっぱく)でパルプ供給に支障が出始めるリスクを警告する。
スザノは主にブレークバルクと呼ばれる一般貨物船でパルプを輸送しているが、コンテナ船の需要が急増したため需給逼迫が一般貨物船にも波及し始めた。
このため、パルプ輸送が滞る恐れがある。ウォルター・シャルカ最高経営責任者(CEO)がインタビューで述べた。

既に消費者の買い溜めやパニック買いでトイレットペーパーの需要が増加している中で、海運の問題がここから雪だるま式に悪化するのではないかと、シャルカCEOは懸念している。
トイレットペーパー生産者が十分なパルプ在庫を持っていない場合、輸送の混乱は最終的にトイレットペーパーの供給に影響を与え得る。
サンパウロに本拠を置くスザノは、3月の輸出が予定に届かず一部を4月に先送りせざるを得なくなるリスクを既に懸念しているともシャルカ氏は述べた。

海上貨物輸送の混乱は、特に食品や農産物の貿易に影響を及ぼし、港湾での渋滞、運賃上昇、輸送の遅れにつながっている。
中国からの膨大な需要に端を発したコンテナ危機は何カ月も続いているが、スザノの警告は他の海運市場への波及の可能性を示唆した。
需給逼迫による運賃上昇が続けば、インフレ加速にもつながりかねない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-25/QQHV9YT1UM0Z01