ペペが次第に人気となり、彼ら「非モテ」のネット民にとっての「リア充」たちがペペのイラストやペペに扮したメイク画像をインスタグラムに投稿するようになると、彼らは「俺たちのペペ」を奪われた気分になり、逆張りとしてより過激な方向に走っていく。たとえば、ペペにナチスやKKKの格好をさせたり、イスラム教徒やメキシコ系移民を殺させたりといった、憎悪や差別に満ちたイラストやコラージュがつくられる。それが過激であれば過激であるほど大量の反応があるので、リアクションほしさに表現はエスカレートしていく。

 2014年にカリフォルニアで起こった銃乱射事件は、「非モテの反乱」だったとして4chanねらーを興奮させた。ペペを使った銃乱射イラストが相次ぎ、殺害予告、そして実行にまで至ったものまでいた。

 トランプのネット戦略チームは、こうしたネット民たちは、オルト・ライトと呼ばれる質の低い右翼(日本の文脈でいうネトウヨに近い)と親和性が高いことを見抜いていた。彼らを使ってネット界を占領するために、カエルのペペはトランプのシンボルとなったのだった。

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