武田薬品工業の完全子会社で、大衆薬を手がける武田コンシューマーヘルスケアは19日、社名を「アリナミン製薬」に変更すると発表した。
31日付。主力製品の名前を掲げることで、ブランド力の向上を目指す。武田薬品は昨年8月、米投資ファンドに全株式を約2400億円で売却すると公表していた。

 武田コンシューマーは、1954年に糖衣錠で発売されたビタミン剤「アリナミン」のほか、風邪薬「ベンザ」などをもつ。2020年3月期の売上高は608億円で、純利益は86億円。
新社名は全従業員約300人から意見を募るなどして決めた。

 武田薬品はアイルランド製薬大手シャイアーの買収で、借金が膨らんでいる。そのため、がんや消化器系疾患など重点分野以外の事業売却を進めている。

 買収するのは、投資ファンドでは世界最大級の米ブラックストーン・グループ。19年には医療用医薬品を扱うあゆみ製薬(東京)を買収していた。

 アリナミン製薬の新社長には、元エーザイ副社長で、現在はあゆみ製薬の会長を務める本多英司氏を起用すると決めた。就任は31日付。(江口英佑)

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