児童生徒の感染、6割が家庭内…「ほぼ全員無症状」

 埼玉県教育委員会がまとめた、さいたま市を除く県内62市町村の公立学校での新型コロナウイルス感染状況によると、
約3か月にわたった臨時休校が明けた後の昨年6月22日から今年1月15日までに感染した児童・生徒と教職員は計885人に上った。
このうち68・7%にあたる608人は、県内で感染拡大の「第3波」に入っていた昨年12月以降の感染だった。
県教育局の担当者は「感染拡大の原因をしっかりと分析し、今後の防止策に生かしたい」としている。

 感染した児童・生徒の内訳は、小学生286人、中学生209人、高校生281人、特別支援学校15人、教職員94人。
このうち昨年12月に感染した児童・生徒や教職員は計333人、1月前半では計275人だった。

 第3波で県は一斉休校を実施しなかったが、昨年12月の冬休み開始時から県立高校で部活動を原則、中止とした。
また、2度目となる緊急事態宣言が発令されたのを受けて、今年1月からは、小中学校も含めた公立学校で、感染リスクが高い合唱、調理実習などの授業を中止するなどの対策を求めている。

 このため、感染経路別でみると、今年に入って学校内での感染は大きく減少し、家庭内感染の割合が増加している。
昨年12月では学校内が35・2%、家庭内が37・5%だったが、今年1月は学校内は4・6%にとどまり、家庭内が60・8%となった。

 ただ、高齢者などと比べて、児童・生徒ら若年者は感染しても無症状である場合が多く、感染拡大の対策が難しいとされる。
ある市教委の幹部は「対策を徹底している学校でも検査の結果、感染が拡大したが、ほぼ全員が無症状だった。
感染した児童・生徒に自覚がないため、学校を休校しない中で、どのように対策をとっていったらいいのかわからない」と話している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210208-OYT1T50060/