“新薬”承認加速 新ガイドライン策定へ

新しい薬の製造販売の承認を加速するため、厚生労働省は、臨床試験に参加していない患者のデータも使えるとする、製薬会社用の新たなガイドラインを今年度中に作る方針です。

新しい薬などの製造販売について、製薬会社が厚労省に承認申請する際は、安全性と有効性を臨床試験で証明する必要があります。臨床試験は、無作為に選んだ患者を2つのグループに分け、1つのグループには新薬を投与し、もう1つのグループには、偽の薬を投与して症状を比較し、新薬の効果があるかどうかを評価します。

一方、患者の数が少なく臨床試験の参加者を集めることができないまれな病気や、新型コロナウイルス感染症のように緊急性のある病気について、迅速に対応する必要があるため、厚労省は、薬の承認申請の新たなガイドラインを今年度中につくるということです。

ガイドラインの案では、臨床試験に参加していない患者の症状や治療の実績、検査の値などの診療情報を偽薬を投与するグループのデータの代わりとして活用できるとしています。

これにより、臨床試験の参加者も従来よりも少なくてすみ、製薬会社が、新薬などの承認を申請しやすくなる可能性があります。

厚労省は、今年度中にガイドラインを策定するとしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/88fa9d639f676383f3f908160c09641b7f5ac971