偽造五百円硬貨相次ぎ見つかる 新硬貨発行前の駆け込みか

 偽造五百円硬貨が相次ぎ見つかっている。

 偽造硬貨は出るたびに検知機器の改良など対策が講じられてきたが、自動販売機で通用する可能性のある精度がやや高い新種が見つかっていることも分かった。
来年度の新五百円硬貨発行を前に、犯人は偽造硬貨の使用を急ぐとの見方もあり、財務省などは金融機関に警戒と迅速な通報を求めている。

 金融機関に配布された造幣局の鑑定結果によると、新たに見つかった偽造五百円硬貨には「平成二十四年」の銘が打たれている。
大きさ、重さは本物とほぼ同じ。材質も本物と同じ銅、亜鉛、ニッケルだが、比率が異なっており、やや白っぽくあまり光沢がない。

 見る角度によって「500」の刻印の中に浮かび上がる「潜像」は「わずかに確認できる」程度だが、過去の偽造硬貨では、潜像がないか、ほとんど確認できないレベルだった。
細かな模様も不鮮明な部分はあるが、これまでよりも欠けやゆがみが減っているようだ。

 造幣局は「自動販売機の判別機能の程度にもよるが、中には通るものがあると考えられる」との見方を示している。

 来年度上期の発行が予定されている新五百円硬貨は、現行の硬貨の色と銀色の2色の組み合わせにし、縁に世界初の「異形斜めギザ」を施すなど、これまでよりもさらに偽造を難しくしている。

 21日に閣議決定した政府の令和3年度予算案でも、五百円硬貨の製造費などに前年度を3億円上回る171億円が計上された。偽造を防ぐ観点から素材などを変更して製造するとしている。

 偽造五百円硬貨は、韓国五百ウォン硬貨の変造を含め年間数十万枚で見つかった時期もあったが、ここ数年は減少が続いている。
警察庁によると、昨年は306枚と前年より229枚少なかった。今年は1〜9月の累計で130枚。

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