「阪神1−1ヤクルト」(19日、甲子園球場)

 阪神の藤浪晋太郎投手が同点の七回、3番手で登板した。代打・松本友との対戦で球団最速の162キロを計測するなど、
3者連続三振でヤクルト打線を完璧に封じた。
流れを引き寄せる投球だったが、打線はヤクルト投手陣を攻略できず、今季6度目の引き分けに終わった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b6ba3a35275b708bdb3304281845f85379e65f5
【写真】出たぁ! 162キロ スコアボードに刻まれた動かぬ“証拠”
https://www.daily.co.jp/tigers/2020/10/19/0013796055.shtml?ph=2
 七回にマウンドに上がった藤浪は、先頭の中村を159キロの直球で空振り三振を奪う。続く西浦をカットボールで
空振り三振に斬ると、続く代打・松本友との対戦。1ボールからの2球目、真ん中高めの直球で空振りを奪った。
スコアボードに表示された球速は162キロ。日本人選手としては、大谷翔平(エンゼルス)が
日本ハム時代の16年に出した165キロに次ぐ数字で、球団最速。実数発表以降最少となった3593人の観客からも、驚きの声と拍手が沸き起こった。

 最後は149キロのフォークで空振り三振に。衝撃の13球でヤクルト打線を完璧に封じた。

 試合後の取材では「ブルペンからもボールも良かったですし。いい感じで」と感触が良かったことを明かした藤浪。
162キロの瞬間は「出た瞬間は気付かなかったですけど、(観客が)オーっとなったんで、
(スコアボードを)見たら162になってたんで。そうかと思いながら」と冷静に振り返ったが、
ボールの質は「いいボールだったと思います。相手が真っすぐ、1、2、3で来ると思ったので、
ちょっとここ、腕振って、差し込みにいかないと合わされるかなと思ったので」と自己評価した。

 藤浪は13日の中日戦で(ナゴヤドーム)自己最速、球団最速タイの161キロを計測。
ドリス、スアレスの助っ人を抜き、球団最速投手となった。また、これで登板7試合連続無失点。
この期間、被安打はわずかに1本と、徐々に速くなる球速とともに、抜群の安定感が光っている。

 心構えの面で「『このへんでいくだろうな』と、なんとなくタイミングも分かってきましたし、
準備するタイミングとか、あたふたしなくなった」と慣れも出てきたという。
「いまだにリリーフは緊張しますけど、多少、何となくというか、勝手が分かってきたというか。
焦った状態で投げて、(肩を)つくって、いきます、という封ではなくなってきた。そういう意味では落ち着きもあるかもしれません」と語った。

 試合は両チームとも得点できず。阪神は九回に2死二塁のサヨナラ機で梅野が三振、
延長十回は1死一塁から近本の二直で一走がスタートを切っており、ダブルプレーで試合終了となった。