ブラジル大統領、新型コロナから回復 経済再開緩めず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61290960Y0A700C2910M00/

ブラジルで7日、ボルソナロ大統領が新型コロナウイルスに感染したことがわかった。
同氏はスウェーデンなどをモデルに経済活動の維持と感染抑止の両立を
目指したが失敗し、自ら引き起こした感染爆発にのみ込まれた。
財政や経済も悪化の一途をたどり、複合危機の様相を示している。

「私はとても元気で、散歩に行きたいくらいだ」。
ボルソナロ氏は7日、テレビの取材に応じ、新型コロナの検査で陽性反応が
出たことを明らかにしたうえで、普段通りの調子で語った。
6日夜の時点では38度の高熱が出たものの、すでに下がった。
当面は在宅で職務を続けるという。

マスクを外して記者団に話しかける場面もあり、
自らが感染してもなお、新型コロナを軽視する姿勢を貫いた。

ボルソナロ氏は新型コロナを「ただの風邪」と呼び、
商店の営業規制や外出制限は必要ないと一貫して主張。
路線対立で2人の保健相が去っても持論を曲げなかった。

実はボルソナロ氏が最初に手本としたのが日本だった。
3月下旬、ブラジルでのウイルス拡大を受け主要州が外出自粛令を導入したことに
反発したボルソナロ氏はSNS(交流サイト)に、花見客でにぎわう日本の動画を投稿した。
「隔離が続けば、混乱とウイルス(感染)が共に続く」と書き込み、
強制力のある外出制限を課さない日本を参考にするよう求めた。

その後、5月中旬には「スウェーデンを見ろ、彼らは(店を)閉めていない」と発言した。
経済活動を止めず、通常の生活を続ける同国を目指すべきだと主張した。