https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200702-00000028-mai-soci

兵庫県警西宮署では2019年11月〜20年2月にかけ、特殊詐欺の手口で高齢者からキャッシュカードを受け取る「受け子」を相次いで検挙した。
同署が進めてきた“通報即出動”の捜査の成果だが、「受け子」の多くはインターネットの闇サイトで雇われ、指示役の名前も顔も知らないまま。捜査はネットの闇に阻まれ、苦闘が続く。【井上元宏】

 「手軽に金を稼げないかと手を出して、悪い連中に使われて、最後はとかげのしっぽ切りに遭うんです」。
6月中旬、神戸地裁尼崎支部。窃盗罪で起訴された受け子の元福祉施設職員の男性(24)に向かい、裁判官は抑えた口調で諭した。

 判決などによると、男性はガールズバー通いの借金120万円の返済に窮し、スマートフォンからツイッターで「裏のバイトします」と投稿。
そうすると「ハンチョウ」「フリーザ」などと名乗る匿名のアカウントから受け子の方法を教えるメッセージが送られてきた。

 2日後、スマホを通じて、“フリーザ”などからの指示通り、警察官を名乗って西宮市の40代女性宅を訪問。女性には別の人物が「キャッシュカードが犯罪被害に遭う可能性がある」とうその電話をすでにしていた。
信じ込んだ女性に、封筒にカード2枚を入れさせた上、すり替えて盗み、入手した暗証番号で現金自動受払機(ATM)から29万8000円を引き出した。その3日後にも同様の手口で2人の高齢者からカードを受け取った。