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 白山国立公園は1日、夏山開きを迎えた。宿泊拠点の室堂や最高峰の御前峰(ごぜんがみね)(2702メートル)は未明から荒れ模様となり、御来光は拝めなかった。横殴りの雨風の中でも頂に立った登山者は本格的なシーズン到来を喜び、新型コロナウイルスの早期収束を願った。
 室堂ビジターセンター(2450メートル)周辺は前日から濃霧に包まれ、断続的に強い雨が降った。突風が吹き荒れる山頂に日の出時刻の午前4時38分に登頂したのは2人だった。
 白山市の会社員源康憲さん(36)は夏山開きの山頂に立ってから出勤しようと、午前2時に登山口の別当出合を出発、2時間で今年初となる白山を登り切った。御来光を拝むことはできなかったが、「夏山開きは特別なので、景色が悪くても良い思い出だ。コロナが早く落ち着き、普通に登山が楽しめるようになってほしい」と話し、山頂の奥宮に祈った。
 センターの向かいにある白山比盗_社奥宮祈祷殿(きとうでん)では開山祭が営まれ、登山の無事と疫病退散に祈りがささげられた。例年は白山の施設関係者や登山者らが多数参列するが、今夏はコロナ対策のため、ビジターセンターの代表者1人が参加した。
 室堂では昨秋に建て替えられた公衆トイレの供用が1日から始まり、登山者が和式の「ぼっとん便所」から水洗の洋式に生まれ変わった快適な設備を喜んだ。利用はチップ制となる。
 日帰りで訪れた金沢市の小川麻衣子さん(34)は「とてもきれい。女性にとってはとてもありがたい」と喜んだ。