ヘイトスピーチなど民族差別的な言動を繰り返した場合、刑事罰を科すことを盛り込んだ全国で初めての条例が、
川崎市で1日から全面的に施行されます。

条例は、川崎市内で在日コリアンに対するデモなどのヘイトスピーチが繰り返されたことなどから去年12月に
制定され、人種や民族、性的指向や障害などを理由としたあらゆる差別的な取り扱いを禁じています。

中でも、日本以外の国や地域の出身者に対するヘイトスピーチなど民族差別的な言動に対しては、
全国で初めて刑事罰を科すことを盛り込んでいます。

対象となるのは、道路や公園など市内の公共の場所で拡声機や看板、ビラなどの手段を使って、
地域からの退去や生命や財産に危害を加えることをあおったり、著しく侮辱したりする行為です。

こうした行為が確認されると、市は「表現の自由」に配慮し恣意的な判断を防ぐため、専門家による審査会に
かけた上で「勧告」や「命令」を行い、それでも従わずに3回違反が繰り返された場合は、50万円以下の
罰金を科すとしています。

川崎市の人権・男女共同参画室の大西哲史担当課長は「全面施行を大きな一歩として具体的に取り組む
重要な年になる。あらゆる差別を許さないという決意で差別を生まない土壌づくりを進めていきたい」
と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200701/1000050782.html