岡山県庁で受けている移住に関する電話相談が、4月に入って急増している。5月までの2カ月間で計45件が寄せられ、18件だった前年同期の2・5倍となった。
県は、新型コロナウイルスの感染リスクの低い地方での暮らしを望む人が増えていることに加え、それを可能とするテレワークが浸透してきたためとみており、
さらなる誘致促進に力を入れる考えだ。

 担当の県中山間・地域振興課に寄せられた相談は、4月15件(前年同月6件)、5月30件(同12件)。6月も17日現在で15件となっており、既に前年同月の19件に迫る勢いだ。
東京都や埼玉県など首都圏、関西地方に住む子育て世代が中心で、新型コロナに関連した相談も少なくない。移住を望む理由として「自然豊かな地域でゆったりと暮らせる」
と地方ならではの生活環境を挙げる人が多く、特定の市町村を希望するなど具体的に検討しているケースもあるという。

 県は、NPO法人ふるさと回帰支援センターの東京、大阪事務所にそれぞれ常駐の移住専門アドバイザーを配置した翌年の2013年度から両事務所と
県の担当課に寄せられた相談件数を集計。19年度からは鳥取県とのアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」(東京・新橋)に新設した窓口も加えた。

 13年度の相談は3カ所で計422件。東日本大震災以降、災害の少なさから移住先として注目され、16年度の計761件まで右肩上がりで増えたものの、
17年度583件、18年度547件と減少。19年度は窓口が増えたこともあり、計886件と過去最高となった。

 本年度は県庁への件数しか把握できていないが、「人が密集する都市部に比べ、自然に囲まれてリスクが少ない地方での暮らしを求める傾向が強まっている。
このまま伸びれば最高を更新する」(中山間・地域振興課)と分析。今後、新たにビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使った移住相談会開催や、
人気が高い地域の動画の投稿サイトへのアップを計画している。

 県が各市町村に尋ねた実際の移住者は17年度の計3300人をピークに、西日本豪雨の影響もあって18年度から減少している。

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https://www.sanyonews.jp/article/1022837