『ガンバの冒険』アニメ史上最悪の「ノロイ」に恐怖 45年経っても心に住む仲間たち

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旅はもうこれまでだ
「ガンバの冒険45周年展」キービジュアル (C) 斎藤惇夫/岩波書店・TMS

 2020年6月12日(金)から7月5日(日)にかけて、TVアニメ『ガンバの冒険』45周年記念の展示会が池袋マルイ7Fで開催されます。
ガンバと仲間たち、7匹の勇敢なネズミがアニメ史上最高のラスボスとも言われるノロイ率いるイタチの軍団に立ち向かうスト―リーは当時の子供たちを熱狂させ、今なお高い人気を誇る作品です。
幼い頃から何度も『ガンバの冒険』(以下、ガンバ)を見てきたライターの早川清一朗さんが、記憶をたどります。

【動画】『ガンバの冒険』第1話を見る

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『ガンバ』と聞いて真っ先にノロイを思い出す方は、非常に多いのではないでしょうか。ノロイがTVの中から発する恐怖は、ガンバたちがどれだけ勇敢に戦ったところで、勝ち目なんてあるわけがないと思わせるほど圧倒的なものでした。
ノロイは、強くて頭が良くカリスマ性があり、多くの手下を従える「最強の悪」としての風格にあふれていたのです。また、声優を務めた故・大塚周夫氏の演技力の高さも、ノロイの存在感を増す大きな力となっていました。

 特にエンディングテーマでは、陰鬱なメロディーと絶望を感じさせる歌詞が流れ、ラストに立ちはだかるノロイの姿が登場し、視聴者である子供たちを威圧します。1匹の動物をこれほど強大に描き切った制作スタッフの力量には恐れ入るばかりです。

 そんなノロイと戦う勇敢なネズミたちが、主人公であるガンバと仲間たちです。 主人公のガンバを演じたのは野沢雅子さん。
勇敢でけんかっ早いが仲間思いで、ノロイの島から脱出してきた忠太の頼みでノロイと戦うことを決意します。他にもボーボ、ヨイショ、ガクシャ、シジンと個性あふれるネズミたちが集結しますが、なかでも筆者が一番気に入っているのがイカサマです。

 しばしば皮肉を口にするシニカルなキャラクターですが、義侠心に厚く、肌身離さず持ち歩いているふたつのサイコロを駆使して戦う姿や、時にサイコロ占いで皆の背を押すなど、しばしばストーリーの鍵となる活躍を見せてくれました。