理由は、日本の芸能人の仕事でもっとも“おいしい”のはCM出演だから。
海外では、俳優がもっとも稼げるのは大作映画やNETFLIX等のネット配信サービスのドラマであり、CMに出ることは“恥”と思う人も多いそうです。
一方、日本を見てみますと、テレビ番組に出演して1回で100万円もらえるようなかなり売れている俳優が、CMであれば
1本3千〜5千万円になるんですよ。CMは言われたことをやるだけでお金がもらえるし、その後「ウェブサイトでも登場してください」「CM発表イベントにも出てください」となれば、追加でお金がもらえる。
芸能事務所の人々はこんなことを言います。
「お笑いのライブやイベントに出たり、テレビ番組に出演するのはプロモーションなんです。それらを多くこなすことによって、“この人は人気がある”と企業に判断され、それがCM出演獲得に
繋がります。CM出演本数を最も多く獲得して“CM女王”などと称されることを目指すのが、収入を増やす一番の近道なんですよ」
私も広告会社出身だからこの構造は分かっていたのですが、「それを事務所のお前が言うか?」と正直思います。俳優やタレント、芸人と呼ばれる人々は本来「芸」でカネを
稼ぐべきなのに「イメージ」「好感度」がカネになるという事実を知った若き日の私は、衝撃を受けたものです。
こうした状況があるだけに、芸能人の不倫、離婚、DVといった騒動は「イメージ」「好感度」を下げてCMオファーがなくなることに繋がる。政治的発言についても、
「この人は面倒臭い」と思われるし、政治的主張が異なる人々から実際にクレームが多数寄せられるから、CMに起用するのを躊躇されるんです。
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/06060555/?all=1