国際食糧機構(FAO)は、昨年来、東アフリカを中心として大量発生している
「サバクトビバッタ(Desert Locust)がインド洋を飛び越えて、インド・パキスタン等に本格的に展開し始めた」と警戒声明を発した。
FAOが公表する「Locust Watch」の最新版(5月27日)によると、バッタたちはインドのモンスーンシーズン入りを前に、
北インドを目指して北上を続け、インドとパキスタンの国境沿いにまで進出した模様。

 (You Tubeは、インド入りした、サバクトビバッタの群れ)

 FAOによると、一群の成虫のサバクトビバッタたちは、先週初め現在(5月26日)、
インド北部のパキスタンとの国境に接するラジャスタン州に達し、
さらに東の方向へのマディヤ プラデーシュ州や州都ムンバイを抱えるマハラシュトラ州に向かう構えをしているという。
マディヤ プラデーシュ州の州都はボーパール。すでにボーパール北部では少なくとも一群の群れが観測された。

7月までには、インド東部のビハール州やオリッサ州にも及ぶ可能性が指摘されている。
これらのバッタの群れは、次の産卵期に入るまでは移動を停止しないとみられる。
インドから先にどう行くか、インドで止まるかは現時点では不明。
ただ、ネパールやバングラデシュ、南インドには広がらない見通し。インドでの被害が拡大すると、食糧不足が一気に拡大する懸念もある。

 パキスタンでは最大州のバローチスターン州やパンジャブ州ですでに広がっている。
同地域では春に産卵期も過ごしており、インダス川に沿って進行を進めている。
またチョリスタン砂漠からターパーカーにかけてのインドとの国境地帯で、夏の産卵期を過ごす構えのようだという。
これらの地域全体で、駆除作戦が展開されている。
パキスタンからさらに北部へ進出すると、中央アジアから中国への展開も予想される。

東アフリカで大発生したサバクトビバッタの大群、ついにインドに侵入。モンスーン、サイクローンの影響でさらに増大すると、食糧危機加速の懸念も(RIEF)
https://rief-jp.org/ct12/103073
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