東北運輸局が4日発表した3月の東北6県の外国人延べ宿泊者数は、前年同月比81%減の1万6340人だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う
入国規制が影響した。日本人宿泊者数も31%減となり、宿泊や飲食など地域の観光産業にとって打撃となっている。
東北では緊急事態宣言が解除されたが、旅行需要は戻ってきていない。
国・地域別にみると、昨年3月に3万人と最も多かった台湾は95%減の1400人で、中国も1万2千人が84%減の1900人になった。中国と台湾は東北への
訪日客の半分近くを占める巨大市場だった。ほかの国も含めて観光目的での来日需要はほぼ消えている。
外国人延べ宿泊者数は東日本大震災があった2011年に14万8千人まで急減したが、19年は155万人まで拡大した。そこに新型コロナが直撃した。
夏に向けて宿泊需要の見通しが立たない状況で、東北の観光産業が再び苦境に立たされている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59986200U0A600C2L01000/