中国が米国からの一部農産物輸入を停止、貿易協定に暗雲−関係者

中国国有企業のCOFCOとシノグレイン、注文直前で見送り
香港の「国家安全法」巡るトランプ氏の制裁方針で中国は姿勢転換

中国政府の当局者は農業分野の主要国有企業に対し、大豆など米国産農産物の一部の購入を停止するよう伝えた。事情に詳しい関係者が明らかにしたもので、香港を巡る緊張悪化を中国政府は見極めようとしているという。

  中糧集団(COFCO)と中国儲備糧管理(シノグレイン)は購入停止の要請を受けたと、非公開情報だとして関係者の1人が匿名を条件に述べた。

  関係者らによると、中国の買い手は米国産豚肉の購入も取り消したという。民間企業は購入停止を求められてはいないと、関係者の1人は語った。

  米中間で1月に署名された第1段階の貿易協定を巡り、一段と暗雲が広がっている。

  トランプ米大統領は5月29日、中国が香港の「国家安全法」を制定する方針を採択したことに対し、中国との対決姿勢をあらわにした。
COFCOとシノグレインは中国の農産物輸入で中心的役割を担っており、29日は米国産大豆20〜30カーゴについて価格を問い合わせていたが、
トランプ氏が中国当局者への制裁の意向を示したことを受けて注文は見送ったと関係者の1人が述べた。関係者によれば、中国側はトランプ氏の出方を見守っている。

  中国商務省にファクスでコメントを求めたが応答はない。COFCOとシノグレインも電話に対し応答していない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-01/QB8N2YDWLU6S01