再封鎖回避のため感染データ改ざん? 専門家の指摘に州当局が猛反発 イタリア

【5月31日 AFP】新型コロナウイルスをめぐる封鎖措置が来月にも一部解除されるイタリアで29日、再び封鎖が課せられるのを回避するため、
感染データが改ざんされている可能性を医療の専門家が指摘し、激しい論争が巻き起こった。

非難の矛先が向けられたのは、イタリアで最も大きな打撃を受けたロンバルディア(Lombardy)州。
だが、同州は疑惑を真っ向から否定し、法的措置も辞さない構えを示した。

イタリアでは6月3日にロックダウンが全国規模で解除される予定となっており、3か月ぶりに国内での自由な移動や外国人観光客の入国が
認められるようになるが、専門家らは制限の緩和へと急ぐことに対して警鐘を鳴らしている。

また政府は、感染リスクが依然として高いと見なした地域では封鎖を続ける権限を行使するとしている。

医療系シンクタンク「GIMBE財団(Fondazione GIMBE)」のニノ・カルタベロッタ(Nino Cartabellotta)代表は28日、
ラジオ局「ラジオ24(Radio 24)」に対し、「こうした地域が再び封鎖されないようにごまかしているという、合理性のある疑いがある」と述べた。

同代表は、ロンバルディア州では容体が悪いまま退院した場合でも回復者として集計されるなど、
「過去3か月間、データに関して奇妙な点があまりにも多くあった」と指摘。

また、緊急事態の局面が過ぎた後でさえもデータ公表が異常に遅れたり、ウイルス検査の実施数がかなり少ない日が何日もあったりと、
まるでロンバルディア州が新規感染者の公表を避けているかのようだったという。

同代表は「まるで感染者数を一定の水準以下に抑え続けるための、ある種の必要性があったかのようだ」と指摘した。

ロンバルディア州当局はこうした非難について、「非常に重大かつ侮辱的であり、何より全く事実と異なる」と反論している。

だが22日付の同国紙スタンパ(Stampa)が報じたところによると、数十人のウイルス学者が過去数週間にわたり、
感染者数が過小評価されているためにデータに矛盾があると批判している。

感染症の専門家であるルイージ・トマ(Luigi Toma)氏は29日、同国紙メッサジェロ(Messaggero)に対して、
「コロナの追跡および監視」に関し、ロンバルディア州だけではなく、ピエモンテ(Piedmont)州やリグーリア(Liguria)州でも不適切なことがあった」と語っている。

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