コロナ報道で訂正続発 増える現場負担、厳しくなる視線

 新型コロナウイルスに関する報道を巡り、テレビの情報番組で訂正や謝罪に追われる事態が相次いでいる。なぜミスは続いたのか。

 「昨日ではなく、今年3月に撮影された写真を1枚使用してしまいました」

 テレビ朝日の朝の番組「羽鳥慎一モーニングショー」は20日、この日の放送で19日の様子だとして紹介した写真が3月のものだったと謝罪した。

 フジテレビの昼の番組「バイキング」でも同様のミスがあった。今月の東京の様子などと紹介した映像は3月のものだった。「編集作業上のミスが原因で誤って放送してしまった」(同局)という。

 モーニングショーでは4月にも、コメンテーターの玉川徹さんが、東京都のPCR検査に関する自身の発言内容に誤りがあったとして番組内で訂正し謝罪した。
同じテレ朝の「グッド!モーニング」でも今月、日本のPCR検査の対応について番組の取材に応じた医師が「取材内容とはかなり異なった報道をされた」とSNS上で抗議し、番組は後日の放送で改めて医師の意見を紹介した。

 なぜミスが多発するのか。元テレビ朝日のプロデューサーで上智大文学部非常勤講師の鎮目(しずめ)博道さんは、
「テレビ業界が慢性的な人材不足であることに加え、感染拡大防止のために制作班を分けて作業人数を減らしているという事情もあるのでは」と指摘する。
また、ドラマやバラエティー番組よりも制作費を安く抑えられ、視聴率も期待できる生放送の情報番組の放送時間が各局で長くなったことも現場の負担増の要因となり、「確認不足などミスが起きやすい状況が生まれている」とみる。

https://www.asahi.com/articles/ASN5X5RSGN5VUCVL025.html