124億年前に整った円盤銀河が存在していた。アルマ望遠鏡の観測で判明
5/21(木) 18:39配信
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観測技術の進歩により、これまでは理論をもとに予想するしかなかった初期宇宙の姿が少しずつ明らかになっています。今回、チリの「アルマ望遠鏡」などを使った観測によって、宇宙誕生から15億年という初期の宇宙に整った円盤銀河が存在していたとする研究成果が発表されています。

■従来の予想よりも早い時点で秩序のある円盤銀河が形成されていた

Marcel Neeleman(マーセル・ニールマン)氏(マックス・プランク天文学研究所)らが今回観測したのは、かに座の方向およそ123.9億光年先にある銀河「DLA0817g」です。
この銀河は2014年に亡くなった天文学者のArthur M. Wolfe氏にちなんで「Wolfe Disk(ヴォルフェ円盤)」とも呼ばれています。

研究チームがアルマ望遠鏡やアメリカの「カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)」、それに「ハッブル」宇宙望遠鏡を使って観測したところ、ヴォルフェ円盤では天の川銀河の10倍以上のペースで星が形成されている様子が明らかになりました。
また、アルマ望遠鏡の観測データをもとにヴォルフェ円盤の回転速度を割り出したところ、天の川銀河とほぼ同じ秒速およそ272kmだったことが判明したといいます。

初期の宇宙における銀河は銀河どうしの合体や高温ガスの流入などが相次ぐことで無秩序な形をしており、低温のガスが回転する円盤銀河のように秩序だった姿になるのはビッグバンから60億年ほど経ってからだと考えられてきました。
ところが、ヴォルフェ円盤はビッグバンから15億年ほどしか経っていない頃すでに大きな質量を持ちつつ回転する円盤銀河として存在していたとみられており、今回の観測結果は従来の理論に対して疑問を投げかけるものになったといいます。