コロナ禍 ひとりで悩まないで〜心の健康と命を守るためにできること

もうすぐ解決の光はみえてきます(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 新型コロナウイルスが蔓延する中、政府の緊急事態宣言によって外出自粛が求められ、
店舗や施設の使用などさまざまな行動が制限されています。生活や経済の問題で苦しみ、
追い詰められたと感じている方がいるかもしれません。

 しかしこの厄災はいずれ終息します。それまでの間は辛抱し、とにかく心の健康と命を
大切にしてください。まず心の状態を知り、不調に気づいたら、早めに相談機関や医療機関に
相談しましょう。周りの人の気づきやサポートも大切です。

ストレスフルな毎日の暮らし
 ウイルス感染への不安と緊張、外出自粛による孤独や家庭不和、収入減や失業による
生活苦など多くの要因が今、心の健康を脅かしています。日々の楽しみや生きがいを失った、
家にこもりきりでイライラがひどい―といった方は少なくないでしょう。さまざまな要因で強い
精神的負担がかかると、うつ病やアルコール依存症など心の病にかかって正常な判断ができなくなり、
死について繰り返し考えてしまったりします。

 私の外来にも不安感が強くなった中高年男性が増えてきたようです。ある繁華街の
自営業の方は「全く人通りがない、撤退する店も増えている。眠れない、血圧の変動が大きい」と言います。

 精神的な負担から、血圧や血糖のコントロールが悪くなる例はよく見られます。
このような状況を放置すると、そのうち症状がひどくなるばかりか、食欲がなくなり、
眠れなくなります。こうなるとうつ病の可能性が考えられます。

 また、そのようなストレスが続き、血糖や血圧のコントロールが悪化すると、心筋梗塞や
脳卒中をおこしやすくなります。

 逆に「食事が美味しい」「睡眠が十分」である場合はうつ病でない可能性が高いですが、
漠然とした不安で落ち着かないなどは不安障害が疑われます。どちらも精神科医や
心療内科への相談をおすすめします。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishikurafuminobu/20200504-00176026/