日本の中高年はなぜ若者の韓流ブームを全く理解できないのか
https://www.itmedia.co.jp/business/spv/2005/18/news026_3.html

そこで、韓流ブームに関する日本の「世代間の断絶」について、朝鮮半島研究の第一人者である政治学者、木村幹・神戸大学教授と、
毎日新聞社で韓国の取材を長年手掛け、『反日韓国という幻想 誤解だらけの日韓関係』(毎日新聞出版)を執筆した澤田克己・毎日新聞論説委員に対談してもらった。前後編で迫る。

中略

若者と中高年で韓国に見る「色」が違う

木村: 第1次韓流ブームと今が明確に違うのは、今韓流に飛びついている子たちが「2010年以降の韓国」しか見ていない、という点です。
一方、第1次のブームは日本人からすれば、ノスタルジックで“後ろ向き”な部分が受けていた。

――第1次ブームでは、「冬ソナ」のような韓国ドラマや楽曲に日本人が一昔前の“古き良き日本”を重ねていた、ということですね。

木村: 一方で、BTSは(日本の)年上の人からすると「これは韓国(的)ではない」と見える。しかし、今の中高生からすればこれこそが韓国な訳です。

今の中高生と上の世代は、韓国に見ている“色”が違うと私は思います。僕らの世代からすると「緑」とか、「灰色」とまでは言わないけれどカラフルではない。
年配の人々は、(韓国を)良いという人も悪いという人も、「伝統的な韓国」が見たいのです。

逆に今の若い人たちは韓国がカラフルに生き生きと見えている。例えば女性だと、色白でスラッとしていて小顔、みたいな……。
また、日本で受ける韓国の物もとにかくカラフルです。「電球ソーダ(電球型の容器に色鮮やかなドリンクを入れたスイーツ)」もはやりましたし。

澤田: この感覚の違いは大きいですよね。ある韓国通のジャーナリストが書いていましたが、「韓国は自分の手のひらに載せてためつすがめつ眺めるような対象だったのが、最近はそうでなくなった」と。

 1970〜80年代から韓国を見てきた世代は、右も左の人もそれに近い視点があったと思います。でも、今の若い人にとって韓国は、「手のひらに乗る」ような物ではないんですよ。

画像
https://i.imgur.com/4layxoZ.jpg