大きなブドウ作らないで! JAや岡山県などが異例の呼び掛け 新型コロナで高級品需要減を見込み

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 大きなブドウを作らないで―。ブドウ栽培の本格化を前に、岡山県やJA岡山中央会、JA全農おかやまでつくる「県うまいくだものづくり推進本部」が、農家に対しこんな呼び掛けを行っている。
新型コロナウイルスの感染拡大による需要減が見込まれる中、単価の高い輸出用の大房を減らし、内需中心に販売を進める戦略を描いている。

感染予防のため、実地での栽培指導が難しいことから、全農おかやまが毎月農家向けに出版している情報誌に「ストップ! 大房化!」と題した啓発記事を掲載。「輸出は不安要因が大きい」「高価な大房は国内では売れない」といった市場関係者の声を紹介し、実の元になる花穂(かすい)を3・5センチ以内に切りそろえるよう訴えている。

 県産ブドウは、「晴王」のブランド名を持つシャインマスカットが「縁起が良い」と香港や台湾など中華圏で引き合いが強く、輸出をけん引。全農おかやまによると、800グラムを超える大房が店頭で1房2万〜3万円の高値で販売されることもある。県特産のピオーネも根強い人気で、日本が輸出するブドウの2割以上を県産が占めるという。

 推進本部は、国内量販店向けの1房700グラム前後を目安に、今後も地域のJAや県の農業普及指導センターを通じて農家に協力を求めていく方針。全農おかやまは「飛行機の減便など海外への輸送量が大きく減っており、内需へのシフトは致し方ない。市場ニーズに合った生産で、堅実に売り上げを確保したい」としている。