アメリカ軍は、宇宙空間で太陽光によって発電した電気を地上に伝送する装置などを搭載した、実験用の無人宇宙機を打ち上げました。
宇宙での太陽光発電は、日本や中国も実用化を目指していて、開発競争が加速しています。

アメリカ宇宙軍は17日、南部フロリダ州の空軍基地から無人宇宙機「X37B」を打ち上げ、成功したと発表しました。

「X37B」は、全長が8.9メートル、翼の幅が4.5メートルのスペースシャトルを小さくしたような形で、遠隔操作によって宇宙空間でさまざまな実験を行う予定です。

無人宇宙機には、宇宙空間で太陽光によって発電した電気をマイクロ波に変換して地上に送る実験装置が搭載されているということです。

天候に左右されず安定的な発電が見込まれる「宇宙太陽光発電」をめぐっては、日本や中国も実用化を目指しています。

また、アメリカ議会の諮問機関も去年11月、中国に対抗するためトランプ政権に開発を急ぐよう求める報告書を作成しており、開発競争が加速しています。

一方、無人宇宙機には、空軍が開発した小型衛星が搭載されているということですが、どのような実験が行われるのかは一切明らかにされておらず、
専門家の間からは、衛星攻撃兵器の開発に向けた実験が行われるとの見方も出ています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200518/k10012434461000.html