全国有数の金魚の産地・奈良県大和郡山市で8月23日に開催予定だった「全国金魚すくい選手権大会」が中止されることが、大会を主催する市への取材でわかった。
競技は参加者が密集する形で実施されるため、新型コロナウイルス感染拡大を考慮した。
18日に全国金魚すくい競技連盟で正式決定する。大会中止は1995年の第1回以来初めて。(山口佐和子)

 全国大会だけでなく、大和郡山市大会(7月11日)や県予選大会(7月12日)も中止に。各地の予選大会も開催の見通しが立っていないという。

 「金魚で市の観光を盛り上げよう」と始まった全国大会は年々参加者が増え、近年は1500人以上の〈腕自慢〉が技を競う夏の風物詩。
予選大会も北海道、愛知県、熊本県など全国15か所程度で開かれるようになり、昨年の25回大会は初の「世界大会」と位置づけ、国内外から約2万人が集まった。

 市や連盟は、ウイルス感染拡大の状況を踏まえ、例年5月から始めている予選大会のエントリー受け付けを保留し、開催の可否を慎重に検討。
競技は室内で一つの水槽を数人で囲んで行われるため、「密集状態が避けられず、感染リスクがつきまとう」などと判断した。
各地の予選大会も開催が難しく、例年通りの形で大会を開ける見通しが立たないことも決め手になったという。

 上田清市長は読売新聞の取材に対し、「25年の歴史がある大会でファンも多く、開催中止は苦渋の決断だった」と強調。
「ウイルスが終息すれば、金魚すくいで世界や市を盛り上げたい」と話し、情勢をみて、大会に代わる金魚のイベント開催を検討する考えを示した。

全国金魚すくい選手権が中止「密集避けられず、苦渋の決断」
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200517-OYTET50011/