ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア臨時代理大使@TeimurazLezhava

一週間の疲れを背中に家に帰ると、無意識のまま永遠にやりがいの見つからない郵便ポストの整理を始めた。
我が家で日本語が分かるのは私だけだからその役割は自動的に私に回ってくるのだ。
いつものように公共料金の請求書や派手なチラシに力を吸い取られる。受けて嬉しいものは玄関までくるものだ。

エレベーターの前の郵便ポストは、私と家族の間にいつも微妙な空白を生み出す。
私はそんな郵便物に抗うためにも素早く整理して、角に設置された新陳代謝の良いゴミ箱に不要なものを投下する。
そこで発生する罪悪感は何なのだろうか?それはいつになっても解明されない、人類が辿り着いた矛盾である。

今日もそのように、郵便ポストから郵便物を手にしてから一度も顔を上げずにそのゴミ箱の方へ一歩ニ歩と不規則に足を進めた。
紙さばきは必ず、針に糸を通すときのような不都合な気分を味わわされる。
そして、どうしてもっと頻繁にポストを整理しないのかとさらに負けた感覚を味わい、傷口に塩だ。

そんな普段とは変わらぬ古典的な憂鬱でゴミ箱の蓋を押し込もうとしたその時、突如として目の前の景色が一気に変わるような気がした。

「うちはまだ。うちは届いたよ。」
一億ものそんな会話が脳裏に浮かび、自分の手にしているものが突如として重みを増した。

私は家に上がるやいなや、用意された食卓にマスクを並べ、家族にそのことを報告した。
今はどんなに人と人との間で距離を空けていても、人は社会という強靭な基盤でつながっているのだと感じた。そしてその社会として一緒にたたかっているのだと。
無言でこの勇気を与えてくれた日本政府にありがとう。

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