ファビピラビル(アビガン®)投与により速やかな症状改善とPCR陰転化を認めたCOVID-19肺炎(東京品川病院)(2020.4.6)
http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31#case_reports
今回,ARDS への進行が懸念される症例にファビピ ラビルを投与し、
投与翌日には速やかな解熱と低酸素 血症の改善を認め、
投与 3 日目には PCR の陰性化を認め、翌日も陰性であった。
これまでの当院で治療した呼吸不全を認めた 2 例では、ファビピラビル非投 与で他の治療は本例と同様であるが、
呼吸不全から PCR 陰性化までの期間は 27 日と 37 日であり、本例は非常に速やかに PCR の陰性化を認めている。
中国でのファビピラビルの成績でもウイルス陰性化まで の期間は対照群より有意に短縮しており 3)、
本例での ウイルスの早期陰性化にファビピラビルが寄与した 可能性は高いと考えられる。
急激に酸素化が低下した タイミングでファビピラビルを投与し、ウイルスを早 期陰性化に導き ARDS を回避出来る可能性があるこ とは非常に重要であり、
今後、さらに詳細なデータを 蓄積する必要があると考えられた。
更には、急速な感 染拡大をみせている現況で、ファビピラビルが軽症~ 中等症の症例に対する重症化予防についても検討する必要があると考えられた。
以上、ファビピラビル(アビガン®)が、急速に酸 素化が低下する症例に対して速やかな症状緩和とウ イルスの陰性化を認め、
COVID-19 感染症に対する有効な治療薬になりうると考えられた症例であった。
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200409_1.pdf