新型コロナウイルスによる米国内の死者は10万〜24万人に上ると
予想していたホワイトハウスの推計について、一部の当局者が、
実際の死者はこの予想を大きく下回る可能性があるとの見通しを明らかにした。

対策本部に近い関係者によると、死者10万〜24万人という予想は、
他人との距離を置く「ソーシャル・ディスタンシング」の厳格な指示に従う
国民が50%しかいないと想定した場合の数字だった。

しかし米公衆衛生局のジェローム・アダムス長官がこのほどインタビュー
で明らかにしたところでは、実際には90%が政府の指示に従っているという。

米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は6日、
ラジオ局KVOIのインタビューでこの数字に言及。「勧告に従う国民は
約50%にとどまると推定していたが、実際には国民の大多数が
ソーシャル・ディスタンシングの勧告を心にとめているようだ。その直接的な
結果として、この数字は予想よりもずっとずっとずっと低くなる」と語った。

新型コロナウイルス対策本部のケイティー・ミラー報道官によると、
死者10万〜24万人という予想は「モデルの組み合わせ」によって算出した
数字だった。

ワシントン大学の健康指標・評価研究所は、この数週間の推計で、死者の数が
10万人を超えることはないと予想している。このモデルは、ソーシャル・
ディスタンシング対策が厳格に守られた場合を想定している。

公衆衛生の専門家は、パンデミックによる死者の正確な数は誰にも言い当てる
ことはできないと指摘し、予想に幅があったとしても、今はソーシャル・
ディスタンシングの対策を緩めるべき時ではないと強調した。

https://www.cnn.co.jp/usa/35152035.html