新型コロナウイルスの治療薬として、政府が200万人分を確保する方針を
打ち出しているのが『アビガン』という新型インフルエンザ治療薬です。
その開発者に話を聞きました。

 「中国・深センで行われた臨床結果によると、アビガンを使った人は4日
でウイルスが消えた。」(千里金蘭大学 白木公康教授)

大阪府吹田市にある千里金蘭大学の白木教授らが、6年前に新型インフル
エンザの治療薬として開発した薬『アビガン』。政府が今年4月5日に
まとめた緊急経済対策の原案では、新型コロナウイルスの治療に効果が
期待されるとして、200万人分を確保する方針が示されました。

 「(2014年に)抗インフルエンザ薬として承認されました。
(当時)アフリカではエボラ出血熱が流行していて、エボラ出血熱には特効薬
がありませんでした。イギリスのグループがアビガンを予防に使いました。
今回の感染症で一番重要な肺炎については、アビガンを使った人は14日間
(2週間)では91%の人が改善している。」(千里金蘭大学 白木公康教授)

 『アビガン』はウイルスの遺伝子の複製を阻害することで増殖を防ぐ効果が
あるとされていて、すでに中国政府が新型コロナウイルスの治療で効果が
認められたと発表し、ドイツ政府もアビガンを調達する方針を明らかに
しています。

 「今、効くことが分かっている薬を使って、今のところどこまでやれるか
ということじゃないかと思います。」(千里金蘭大学 白木公康教授)

白木教授と共に『アビガン』を開発した富士フイルム富山化学は、
新型コロナウイルス感染者への臨床試験を始めていて、早ければ7月以降
に全国の医療機関で処方されるということです。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200406/GE00032433.shtml