手袋で触れるわが子…新型ウイルス陽性の女性が無事出産 スペイン

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【AFP=時事】初めてのわが子の誕生から10日間、スペインの首都マドリードに住むバネッサ・ムロ(Vanesa Muro)さん(34)は息子に近付くことも許されなかった。
その後、ようやく家に連れ帰ることができたが、ムロさんも夫もまだ手袋なしでは息子に触れることができない。新型コロナウイルスの検査で陽性だったため、隔離期間を過ごしていた夫婦は今も手袋をしている。

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 マドリードの自宅で取材に応じたムロさんは、「とてもつらい」と語った。「息子は私の指を握るけれど、かわいそうに、つかんでいるのは私の指ではなく手袋です。でも、これで(隔離期間が)1日減ったと思うことにしている。そうでもしないと気分が落ち込んでしまうから」

 新型コロナウイルスの流行で、スペインではイタリアに次いで多い1万人を超える死者が出ている。中でもマドリードの流行は深刻だ。

 ムロさんは3月16日に帝王切開での出産を予定していたが、祖母が新型ウイルスにかかったことで状況は一変した。ムロさん夫婦が毎日会っていた祖母はその後、亡くなった。

 検査でムロさん夫婦の陽性結果が出たのは3月12日。夫はムロさんを連れてラパス大学病院(La Paz University Hospital)へ駆け込んだ。しかし夫は入院できず、ムロさんだけを救急外来に託した。夫婦は次の日にムロさんの帝王切開術を行う決心をした。