雄大な森や海、躍動するヒグマやクジラ―。イラストレーターの後藤真希子さん(35)は、一時期ガイドの仕事をしていた世界自然遺産・知床の自然や生き物の作品を数多く描く。
大学卒業後に映像製作の世界に飛び込んだけれど、忙しい日々の中で進路を見失ってしまう。迷いながらも移住した知床の大自然に抱かれるなかで、描くことの意味を再発見していった。
「厳しい自然に暮らす彼らは、単なる絵の対象ではなく同じ世界に暮らす仲間。ありのままの姿を描きたい」。愛きょうがあるのに何かを語りかけるような作品は、見る者を引きつけてやまない。(共同通信=高口朝子)

 ▽曲折で知床に

 クマとキツネが仲良く空を見上げ、ウサギとタヌキが昼寝する―。後藤さんの絵には、必ず自然や動物が描かれる。
アニメのようにかわいらしくデフォルメされているが、大きなキツネにおびえるネズミや、必死で川をさかのぼるサケなど、自然本来の厳しさも写し取る。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00000002-yonnana-soci