もし自分が新型コロナウイルスで重篤になったらどうしたいか……。
新型ウイルスのパンデミック(世界的大流行)が続くなか、万が一の場合に自分はどうしたいのか、大切な人たちと話し合っておく方がいい。
イギリスの緩和医療の専門家がこう呼びかけている。
終末期医療の専門家は、「つらい会話、しにくい会話」を誰もが大切な人としておくよう求めている。
自分がもし重篤になったらどういう治療を受けたいのか、そして死後にはどういう扱いを希望するのか。
英ウェールズ・カーディフ大学の医師、イローラ・フィンリー女男爵は、患者は今の内に「自分がどうして欲しいのか周囲に伝えておく」必要があると話す。

カーディフ大学の緩和医療教授でもあるフィンリー女男爵は、もし自分が発症したらどういう治療を受けたいのか、そしてもし自分が死んだらどう扱って欲しいのか、誰もが考えて、近親者に伝えるべきだと言う。
「これまでは何でも自分の思うとおりに準備できると思っていた人たちがいよいよ、気づいたわけです。私たちは常に不確かな状態で生きていると。今ではその現実を、真正面から突きつけられているのです」と、フィンリー医師はBBCに話した。
「そこで今や考えなくてはならないわけです。『本当に大事なことは何なのか』と。大切な人たちとどういう話をしておくべきなのか。それも今。明日とかあさってではなく。そして何と言っておくべきなのか」
「自分には何か強い考えがあるのかもしれない。あるいはすでに体が弱っている人はこのウイルスにかかっても、もう入院して人工呼吸器につながれたいとは思わないかもしれない」
「自分はどうしたいのか、今のうちに周りの人に知らせておかなくてはなりません。あなたの意思に沿ってその人たちが対応できるように」
「誰にとってもつらい会話です。楽な方法などありません。自分には関係ないことだとずっと思って、日々暮らしているわけです。でも、いつか自分の問題になるかもしれないと、そう思わなくてはなりません」
フィンリー医師は、現実的な話として、遺書を作ってあるのかどうか、大事な書類はどこにあるのかなどを、話し合っておくことを勧める。形見分けとして人にあげたいものがあるなら、何を誰にあげたいのか、印をつけてはっきりさせておくのも良いと。

以下ソース
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-52092799