新型コロナウイルスの感染で重篤な症状の患者が増えるのに備えて、国内メーカーの間では「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置を増産する動きが出ています。
「ECMO」は、血液中に直接酸素を送り込み、肺の機能を一時的に代行する人工心肺装置で、肺炎が悪化するなどして肺が機能しなくなった重篤な症状の患者の治療に使われます。
東京の医療機器大手 テルモは今月中旬から、静岡県内の2つの工場で「ECMO」の増産を始めたということです。
増産の規模などは明らかにしていませんが、新型コロナウイルスの感染が中国で広がっていたことしはじめから、部品を多めに調達するなど増産に対応するための準備を進めていたということです。
政府はECMOや人工呼吸器について、メーカーに増産を呼びかけていて、新たに設備投資をする際には補助金を出す方向で検討しています。
テルモは「仮に国内の患者が増えても対応できるようメーカーとして取り組んでいるが、人工心肺装置に詳しい医療従事者の確保も課題になってくる可能性がある」としています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200331/k10012359031000.html