1回の投与で済むワクチン開発へ

新型コロナウイルスの遺伝子コードを解析している科学者らによれば、
このウイルスは人から人への感染の過程で大きな変異を起こしていない、
ということがわかってきたという。そのように比較的安定した状態は、
感染拡大中にウイルスの危険性が多少なりとも増す可能性が低いことを
示している。

そして、この安定性は、効果が長期間持続するワクチンの開発を目指す
研究者たちにとって、励みになるニュースである。

すべてのウイルスは、遺伝子の変化が蓄積することで、時間とともに進化する。宿主の細胞の中での不完全な複製で生じた変異の一部が、人から人へ感染、
つまり宿主から宿主へと移っていく過程で、自然淘汰されずに残り、蓄積して
いくのだ。

しかし、新型コロナウイルスには「校正機能」があり、それが複製の「エラー
率」を低減するために変異のペースが抑えられている。世界各地で流行して
いるが、これまでのところ、どのウイルスもほぼ同じであり、他より特に
致死性が高いウイルス株が存在するというエビデンスもないと、
科学者たちは言う。

米ジョンズ・ホプキンス大学の分子遺伝学者ピーター・シーレンによれば、
現在、1000以上の新型コロナウイルスの検体の分析が進められており、
中国・武漢で広まったウイルスとアメリカで広まっているウイルスの間に
みられる遺伝子の差異は、わずか4〜10個だという。

「多くの人を経由してきたわりには、変異の数が比較的少ない」とシーレンは
言う。

「現時点では、この変異率からみて、新型コロナウイルスのワクチンは、
インフルエンザの予防接種のように毎年打つ必要のあるものではなく、1回の
投与で済むワクチンになるだろう」

つまり、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)のように、長年にわたって免疫
が得られるワクチンの開発が期待できるというのだ。

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