春は新たな挑戦の季節でもある。1年前にサラリーマンから農業に転身し2020年に、初めてサクランボの栽培に挑戦している秋田県湯沢市の男性を取材した。

 県内有数のサクランボの産地湯沢市の三関地区。先輩農家からサクランボ栽培の指導を受けているのは、地元・三関出身の古川英樹さん(38)。

 2019年に秋田市での会社勤めを辞め農業の道を選んだ古川さんだが、転身のきっかけは会社員時代に三関の農産物の評価の高さを感じたことだった。

 古川さんは「会社員の時に営業でお世話になったお客さんに、三関の農産物をとても喜んでもらった。自分でできたらもっと楽しくなるのではと思い、就農しようと思った」と振り返る。

 この日は不要な枝を切り落とす「せん定」の作業。初めての挑戦だ。
「切るの難しいですね」と古川さんは悪戦苦闘していた。

 寒いのが苦手という妻を秋田市に残しての単身赴任。実家に戻り母親と暮らしながら、ベテラン農家に技術を学んでいる。

 ベテラン農家の奥山優一さんは「遅いから不利ということはない。遅く入った分社会勉強もしたと思えば、これから色々な所に顔見知りもできて、自分を伸ばしていけば最高だ」と古川さんを鼓舞した。

 古川さんは「一生懸命教わって、早く一人前になれるように必死に働きたい。見た目もだが、味で勝負できるようないいサクランボを作りたい」と力強く決意を語った。

 古川さんは高齢で引退が近い叔父のサクランボ畑を4月から引き継ぎ、独り立ちを目指す。

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