レッサーパンダは同一種で2亜種ではなく、2種に分類すべきだと、中国科学院動物研究所の研究チームが26日付の米科学誌サイエンス・アドバンシーズに発表した。
分類方法が近年議論されてきたが、ネパールや中国、ミャンマーに生息する野生の65匹からDNAを採取して大規模な全遺伝情報(ゲノム)解析を行った結果、遺伝的な違いが亜種より大きいと指摘している。

この2種は、中国の四川省や雲南省などに生息する「シセンレッサーパンダ」(学名アイルルス・ステュアニ)と
ヒマラヤ山脈沿いのネパールなどに生息する「ネパールレッサーパンダ(ニシレッサーパンダ)」(同アイルルス・フルゲンス)。

外見では、シセンは顔の毛が赤っぽく、尾のしま模様がはっきりしているが、ネパールは顔の毛が白っぽく、尾のしま模様がはっきりしない特徴がある。

研究チームは最新の技術で細胞核のDNA全体のゲノムを解析したほか、雄のY染色体のDNA塩基配列の違いや、細胞小器官ミトコンドリアのDNAも解析。
これら2種は祖先の段階から高地に適応しており、22万年前ごろに2種に分かれたと推定した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022700159&;g=soc
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