(社説)桜を見る会 首相の説明 破綻明らか


安倍首相の説明と食い違う事実がまた明らかになった。問題はないと強弁するためのつじつま合わせの
破綻(はたん)は、もはや明らかだ。
一国の政治指導者の言葉の信が問われる、深刻な事態と言わざるを得ない。

複数の政府関係者が、朝日新聞の取材に対し、「政治枠」は事実上ノーチェックだったと認めたのだ。
 招待者は第2次安倍政権下で膨れあがり、首相の地元事務所が後援会関係者に幅広く参加を募っていた。

桜を見る会の前夜祭をめぐる首相とホテル側の説明の食い違いも決着していない。
整合性を問われた首相は、先方に確認した結果として、ホテル側の説明はあくまで「一般論」と釈明したが、
その際、ホテル側が言っていない「営業の秘密に関わる」などの文言を加えていたことが後で明らかになる。
自らの主張を補う脚色をしたと疑われても仕方あるまい。

これほどずさんな政府の答弁を、決してうやむやに終わらせてはいけない。