厚生労働省は11日までに、新型コロナウイルスの感染者について専用設備のある「感染症病床」以外の一般病床での入院も認めるとの通知を出した。
感染症病床は全国に約1800床しかなく、国内で流行した場合、入院先が不足する事態が懸念されていた。
クルーズ船の集団感染のほか、今後、国内で感染者が急増する事態に備えるため、医療提供体制を整える。

一方、同省は感染が強く疑われる場合は、国の検査基準に該当しなくても自治体の判断で柔軟にウイルス検査するよう求める通知も出した。
現在は中国湖北省に滞在歴がある人や、その濃厚接触者に検査対象を限定しているが弾力的な運用を求め、検査の網を広げる。

同省担当者は「現在は国内で流行している状況にないが、先行して医療体制や検査体制を拡充する」と説明している。

全国の指定医療機関にある感染症病床は、ウイルスが室外に漏れないように気圧を下げた「陰圧室」になっている。
通知では「緊急その他やむをえない場合」は、感染症病床以外や指定医療機関以外に入院させることも可能とした。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55499000R10C20A2CZ8000/