名古屋市で2018年7月にあったコンサートの会場で、車椅子に乗せられたうえ、購入した席とは違う席に座らされたとして、市内に住む全盲の女性が
コンサートを主催したCBCテレビ(同市中区)と同市に対し、慰謝料など約165万円を求めた訴訟が名古屋地裁で和解した。和解は20日付。

 訴状によると、女性は「名古屋国際音楽祭」を鑑賞するために、日本特殊陶業市民会館(同市中区)のホール4階の中央席を購入。
歩くことができたが、係員が車椅子に乗せ、同じ階の最後列の端の席に座らせたという。購入した席に連れて行くよう係員に懇願したが聞き入れられなかったと訴えていた。

 和解条項には、CBCと市が障害者の立場を考えて取った措置でも、不当な差別的取り扱いになる可能性があることを確認すること、
不適切な対応だったことについてCBCが謝罪し10万円の和解金を支払うことなどが盛り込まれた。

 女性は代理人弁護士を通じて「被告らには、障がい者に対する差別扱いを絶対にしない、させないでほしい」とのメッセージを寄せた。
CBCはホームページに「今回の事案を真摯(しんし)に受け止め、障害者差別解消法の理解を深め、障害の有無によって
分け隔てられることなく共生する社会の実現に向けて努力する」とのコメントを掲載。市は取材に対し、「法を順守し、趣旨に沿った対応をしていく」と話した。

https://www.asahi.com/articles/ASN1P6K4CN1POIPE00B.html