【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由
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アニメ制作会社「ガイナックス」の社長が準強制わいせつ容疑で逮捕された。この事件では、『エヴァンゲリオン』の名を付した報道が数多くあり、これについて庵野秀明監督は強い憤りを感じているという。そこで今回改めて、庵野監督の特別寄稿を連載していく。第1回は、これまでのガイナックスとの関係や袂(たもと)を分かつまでの経緯などについて語る。
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● 「ガイナックス」の事件報道について 逮捕された人物は『エヴァ』とは全く関係ない
まったく面識のない経歴もよく知らない人物が、僕が以前在籍していたアニメ制作会社「ガイナックス」の社長になっていました。そして、刑事事件の被疑者になった、というニュースが入ってきたのです。
この事件については、まず何よりも先に、被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。
そして、その上で僕自身が設立に参加し長らく制作の現場とし、一時は取締役も務めたガイナックスという会社がこのような形で報道されるに至ったことは非常に残念だと思っています。
もともとガイナックスは、アニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987)を制作することを目的として1984年に作られた会社です。
僕はそのころ、作品至上主義を掲げていて、経営と創作活動は二律背反すると考えていました。なので、社員として在籍しながらも経営には関わらない形で、自分たちの作品を作ることに集中していたのです。
以下、長ソ