「触らないと損」 子どもへの性暴力をやめられない人は、何に駆り立てられているのか
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191225-00010002-bfj-soci

子どもを対象にした性暴力は、何度も繰り返されることが多いのが特徴だ。1人の子どもに執着して何度も加害する人もいれば、1000人を超える子どもに加害行為をしたと話す人もいるという。なぜ、加害行為をやめられないというのだろうのか。
子どもに性加害を繰り返す人たちに聞き取りをした、大森榎本クリニック精神保健福祉部長(精神保健福祉士・社会福祉士)の斉藤章佳さんに話を聞いた。


「やらない自信がない」

《先生、僕はずっと刑務所に入っていたほうがいいと思うんです。ここには子どもがいません。だから子どものことを考える時間もほとんどありません。

でも、外に戻れば子どもがいますよね? 僕は小さな女の子を見ると頭が真っ白になって気づけば後をつけてしまうんです、どうやったらこの子とふたりきりになれるだろう、どうやったら触れられるだろうって、無意識のうちに考えながら。

だから、ここから出たら絶対またやります。やらないという自信がまったくないんです。》

これは、47歳の受刑者が、ある地方刑務所で面会した斉藤さんに語った内容だ。受刑者が「出所したらまた同じことをしてしまうのではないか」と不安を訴えてくるのは典型的な例だという。

斉藤さんは加害者臨床を専門とし、性犯罪を繰り返す人を対象にした再犯防止プログラムのディレクターをしている。
問題行動や認知の歪みを自覚するための認知行動療法やグループセッション、薬物療法などを通して、再犯せずにやめ続けることで社会に適応していくことを目指すプログラムだ。

だが、再犯防止プログラムへの参加が定着しづらいのが、子どもに性加害を繰り返してきた人たちの特徴だ、と斉藤さんはいう。

「子どもへの性暴力は、衝動性と反復性において、ほかの性犯罪とは別格といえます」

「ある加害者は『子どもを見た瞬間に吸い込まれるように引き込まれてしまう』と表現しました。気づいたら加害行為に及んでいた、と」

「小児科」の看板など、道を歩いていて「小児」という文字を見ただけで反応してしまう加害者もいる。

「彼らにとって、子どもという“記号“はそれほど強烈なのです」