国内外の心臓病の子供らを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)に、今年7月に88歳で亡くなった川崎市多摩区の女性の遺産約1億7千万円が、
遺言に従って寄付された。基金には平成14年に亡くなった男性が約3億2800万円を遺贈しており、寄付金額としては過去2番目。女性は生前、
「恵まれない子供のために遺産を使ってほしい」と話していたという。
 寄付されたのは、自宅の土地建物や賃貸用として所有していたアパートの部屋の売却益、預貯金などで遺産のほぼ全額にあたる。
 女性の財産を管理していた、ましろ法律事務所(横浜)の杉原弘康弁護士によると、服飾のデザインなどをしてきた女性にはきょうだいが3人いたが、
女性を含めいずれも独身で子供もおらず、身内が亡くなるたびにきょうだいで遺産を相続、最後に女性が残されたという。
 女性は昨年12月、神奈川県弁護士会が行っている終活相談「エンディングサポート」に連絡。3年前に胃を全摘し、余命も残されていないとの医師の診断を伝え、
死後、遺産を恵まれない子供たちのために寄付したい旨を申し出たという。
 寄付先を検討した際、産経新聞を購読していた女性が、「明美ちゃん基金はどうか」と提案し、今回の寄付が決定。7月に女性が亡くなると、
自宅などの売却や事務手続きなどが行われ、今月4日、残された1億7163万1653円が遺贈された。

https://www.sankei.com/life/news/191224/lif1912240028-n1.html