「人じゃない?」夜の用水路でうめき声、高2コンビ救う
自転車ごと用水路に落ち、動けなくなっていた60代の女性を救助したとして、
岡山県早島町の男子高校生2人に18日、県の善行賞が贈られた。幼なじみの2人は、
救助と通報とを瞬時に分担。的確な判断と、息の合った連係プレーで、命の危機を救った。
表彰されたのは、倉敷工業高校2年の四木(しぎ)大貴君(17)と藤澤匠人(なると)君(16)。
小学校からの仲良しで、高校では2人ともテニス部。行きも帰りも自転車を並べる仲だ。
10月10日午後6時すぎ。住宅と田畑が混在する倉敷市五日市の細い道を、部活帰りの2人は
いつものように通りかかった。幅は1・6メートルほど。脇を深さ1・4メートル、幅5・5メートルの用水路が通る。
外灯が照らす用水路から、2人は異変を感じた。
「人じゃないか?」。同じ言葉が口をつき、2人は用水路をのぞいた。「ウー」といううめき声。
うつぶせの年配女性が自転車とともに倒れているのが目に入った。
「やばい。助けないと」。四木君が思った瞬間に、藤澤君は自転車を止めて用水路に飛び降りていた。
水深は30センチ。この用水路にスマートフォンを落としたことがあり、その際に拾いに入ったことがあったという。
「深さの見当がついたので、体が動いた」と藤澤君。
「起きられますか?」。藤澤君が聞くと、女性は「うんうん」とうなずいた。右こめかみが大きく腫れ、
体のあちこちが痛いと、か細い声で言う。女性を起こし、水路の壁にもたれかかってもらった。
藤澤君の動きを見ながら、四木君は消防と警察へ通報。両方とも初めての経験だった。
「近くに家は?」「住所は?」。電話をつないだまま、民家のドアをたたき、住民男性から住所を聞きだして伝えた。
通りがかりの人も呼び止めて援軍を頼んだ。
「とにかく無事でよかった」と言う2人。女性の家族からは後日、お礼の品が寄せられたという。
「藤澤が水路に飛び込む速さと勇気に驚いた」と四木君がたたえると、
藤澤君も「119番にかけようとしたが指が動かなかった。四木は冷静だった」。
とっさに体が動いたのは「2人でいたからこそ」と口をそろhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191220-00000007-asahi-soci